- 2005年10月 9日 00:10
- EYE
私自身がそのことを受け止められなかったのと、絶対治ると信じていたこともあってここには書かずにきましたが、ルナっちは今年の3月から目が見えていません。
発症は本当に突然でした。
腰痛でしばらく安静にしていたことはこの日記にも書いてきましたが、それが1週間の投薬と安静ですっかり治り、意気揚々とお散歩に出かけて、帰ってきたらもう見えなくなっていました。
腰が治って3日たったかどうか?というタイミングでした。
なにぶん突然なことでしたが、加齢による眼球の濁りが始まっていたこともあって、老年性の白内障かな?と最初は思い、まだまだ若いつもりでいたけどもう10歳だもん。しかたないよな、って半ばあきらめていました。
でも白内障にしては発症があまりにも極端で、納得できない気持ちもありました。
主治医に電話で相談したところ、ちょうど数日後に主治医の病院で眼科検診の勉強会を開催する予定があり、メーカーから検査機器を借りて、大学病院の先生を招いて機器の使い方をレクチャーしてもらうことになっているから、そこで検査のサンプル犬をやってみてはどうかというお申し出があり、二つ返事でお願いしました。
そこで眼底検査を受けたところ、網膜に変性が見られるという診断が下されました。
私も立ち会ったのですが、確かに健康な子に比べると血管が細く、数も少なくなっています。
ダックスの網膜疾患というと進行性網膜萎縮が真っ先に思い出されます。
この年になっての発症なんて聞いたことがないと思いつつも、念のためブリーダーさんにはこのような結果が出たことはお話しておきました。
でも、本やインターネットで調べたPRAの症状や発症機序と、ルナっちの状態はまったく一致するところがありません。暗いところでもほいほい歩いていたし、PRAの進行は「進行性」と銘打たれていても決して早くはありません。数ヶ月かけてゆっくりと進んでいくことが多いのです。
ちょうど3月は癌検診月で、その後間もなく私とルナは埼玉の病院へ行きました。
腫瘍内科の先生も突然のことで驚かれていましたが、すぐに眼科の専門医をご紹介いただくことができました。
専門医の病院は東京にあります。
次の癌検診は6月ですので、それに合わせて上京するのがスケジュール的には楽なのですが、とにかく早くと思い、4月の上旬に予約を入れていただき、目の精密検査を受けることに決めました。
そこで改めて眼底検査を受けたところ、その先生が見る限り、網膜にわずかながら変性は見られるけれど、失明するほどの状態ではないということなのです。
網膜は完全にダメになったと思っていた私と主人は、それを聞いて本当に勇気づけられました。
血管の状態も、撮影した機器の違いかもしれませんが、3月に撮った時よりも少しよくなっていたようでした。
抗酸化サプリメントによって網膜変性のスピードを遅くできる可能性がある、ということでメニワンから発売されているサプリメントを飲ませていたのですが、それを継続して様子を見ることになりました。
それから半年...
ルナっちの目の状態はあまり変わりません。
回復もしていませんが、特に悪くもなっていません。
網膜電位(網膜が光を感じた時に発する電位)を測っていただいたら、ほとんど数値が出ずやはり光はほとんど感じていないであろうということだったのですが、網膜の状態はあまり悪くなっていないようです。
網膜変性が進行すると、白内障を併発することが多いので、今はとにかく網膜の状態を維持して、白内障の進行を抑えていこうということになっています。
発症の機序や、失明しても網膜の変性がなかなか進行しないという点から、今の時点では遺伝疾患であるPRAではなく、突発性後天性網膜変性(SARD=Sudden Acquired Retinal Degeneration)であろうという診断をいただいています。
クッシングと関連があるとか、肥満の子に多いとか、避妊済の雌犬に多いとか、犬種でいうとシュナウザーに多いとか、肝機能低下を併発するとか諸説お聞きしましたが、どれも決定的な関連はつかめていないようです。
日本で初めて症例が確認されたのはわずか6年前の1999年のことでした。
その時は5歳のミニチュアシュナウザーだったそうです。多飲多尿、肝機能異常、脂質代謝低下、重度の肥満という状態でした。
発症から19ヶ月後に網膜の変性が始まったそうです。ルナっちの網膜に変化が現れるのも来年くらいかもしれませんね。
1999年までの10年間に、海外でも数例しか報告のない珍しい病気だったようです。
最近はもう少しデータが増えているかもしれません。症例が出されることによって、今までこの病気と診断されていなかった子がこの病名で報告されている可能性がありますので。
私も付け焼き刃で眼科のお勉強を始めたところです。また洋書を買ってしまった...。
抗酸化サプリメント(メニわん)は続けていて、その他にビルベリーの粉末をフードにかけて食べさせています。
私もやっとこの状態を受け入れて、ここに書くことができるようになりました。
ルナちゃん、かわいそう、って言われるのが気が重くて(心配していただけるのに失礼な態度ですよね)書けなかったんですが、ルナが普通の状態である前提で書いてくださるコメントに対して、嘘でお返しすることはもっと失礼と思い、書くことにしました。
書けなかったもう一つの理由は、なかなか確定診断がつかなかったことです。
「なんだかよくわからないけれど大変なのよ」というエントリは、読んで下さる方にご心配をおかけするだけのような気がして...
ある程度状態が把握できるようになるまではあまり騒ぎたくないと思ったからです。
ルナは元気です。
私が仕事から帰ると、飛びついてきて歓迎してくれます。また腰痛めるよ。
家の中ではほとんど不便を感じていないようです。
廊下は走ります。
腰痛対策で買ったスロープにもすぐに慣れました。
でもたまにベッドやソファに飛び乗ったりします。
私が呼ぶと、ちょっと的はずれだけどうまくアイコンタクトをしようとします。
ルナには私がどこを見ているのかはわからないので、見つかっていないと思ってこっそり悪さをしたり、マテのコマンドをズルしたりします。
目が見えなくなった子に対しては、家具の配置などを変えないように、とアドバイスされますが、ルナっちは初めて行く場所でも上手に障害物を避けて歩きます。
見えてるんじゃないかと思うこともあるくらいです。
お散歩で溝にはまりそうになることはあります。でもはまったことはありません。
リードをつけていると気が大きくなるのか小走りになります。
全力疾走(まあ、10歳のオバサンのレベルですが)することもあります。
ただ、ドッグランで好きなように走り回ったり、お友達と遊ぶことはできなくなりました。
目が見えないのに不用意にお友達と近づいて、失礼があったら大変ですものね。
仲良しのレオくんは、挨拶をしてもルナと目が合わないので変だなって思っているようです。
実家のサラちゃんも、「ルナちゃんがこっちを見てくれない~」って思っていそうです。
でも行きつけのドッグカフェでは、ノーリードで放したらお友達とお行儀よくご挨拶をしてお店の中をずかずか探検していましたから、飼い主があまり神経過敏になりすぎるのもよくないかもしれません。雪が降る前にサム君ちのドッグランに遊びに行ってみようかな。
けっこう楽しい生活です。
なによりも、腫瘍の転移や再発があれからなくて、目が見えないのとミオクローヌスが治らないことを除けば本当に健康に過ごせているのがありがたいことです。
もっとも視神経の問題とミオクローヌスの関連についてはまだ調べていないので、今後折を見てまた検査に行かなきゃいけないかもしれないな~、と思っています。
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