- 2005年7月16日 12:28
- CANCER
昨年9月の左乳腺全摘手術以来、縫合痕の中によく手に当たるものが残っているのが気になっていました。他のよりも少し大きいだけで、色が黒ずんでいるとか、触った感じができものっぽいとか、そういうこともなかったのですが、あまりにもいつもいつも手に触るので…
主治医でも、検診を受けている専門医でも、これは単なる縫合痕で気にすることはないと言われていたのですが、今年に入ってからの癌検診で「あんまり気になるのなら中を少しえぐって生検に出してみたら?」と勧められました。いわゆるパンチ生検という検査方法です。
専用の器具を使って、気になる部分の組織を円筒状に切り取り、病理検査に出します。
その前段階として、針でしこりから細胞を吸い出したものを検査に出していただいたのですが、かかりつけの病院で、顕微鏡で見た範囲でも、ただの縫合痕と思われていたしこりには乳腺細胞が見受けられました。
乳腺細胞自体は体中のいたるところに発生する可能性はあるということは、最初の手術の時から説明を受けてはいたのですが…片側乳腺全摘したあとの縫合痕にまで細胞が新生するとは予想していませんでした。
しかも、検査の結果では、針で取り出した細胞から悪性腫瘍を疑う物も見つかってしまいました。
どちらにしても、細胞の悪性度はある程度の範囲で取ってみないとわかりません。
パンチ生検自体は、傷口も小さく処置時間も短時間なため、比較的診察台の上でおとなしくしていることのできるルナっちは鎮静のみで臨みました。
鎮静剤と鎮痛剤を注射されたあと、待合室でのんびり過ごしていたら、みるみるうちにぐったりとして動かなくなってきました。でも、意識はあります。
動きの鈍くなったルナっちを診察室へ預け、しばらく待合室で待っていました。
処置は本当にすぐに終わりました。
気になっていた大きなしこりの他に、残存乳腺近くにできていたごくごく小さいしこりも取っていただきました。しかし実際には、そちらは小さすぎて取れたかどうかわからないそうです。
大きなしこりは、皮膚とその下の組織のちょうど間くらいにあったと思われ、皮膚には癒着していないけどその下にはくっついている可能性があり、丸ごと取るのは難しいだろうと言われていましたが、結局下部にも癒着はなく、しこりごときれいに取っていただけました。ただ今回は検査目的なのでマージンはとっていません。
傷口は2ヶ所で、2針くらいずつ縫われていました。
あとは取った組織を検査に出します。ある程度の悪性度はわかると思います。
鎮静がかかっている隙に、歯石除去も簡単にやっていただきました。
本当に嫌がる子は、軽い鎮静でも暴れると聞いたのですが、ルナっちはかなり辛抱強くすべての処置につきあってくれました。

しかし今回は、ここからが大変だった…
通常、今回程度の鎮静からは、長くても4時間で覚めると聞いていたのですが、お昼過ぎに処置が終わって家に帰り、夕方になってもまだルナっちはぼーっとしたままでした。
お水も飲まないし、トイレにも行きません。
先生からは、夕方頃の様子を教えるように指示を受けていたので、ぎりぎりの時間まで回復を待って連絡を入れました。飼い主が見た感じ、特に命に別状のある感じではなく、呼吸も安定していて体温も下がっていなかったのですが、心拍数は少しゆっくりめで鼓動が弱く感じられました。
病院に着いて、先生に診ていただいても、特に危険な状態ではないということではあったのですが、このまま一晩おくのはやはり不安要素が大きいということで、鎮静剤の早期排泄のために点滴を100ccほど入れていただきました。
合間に少し心臓の動きを強くするお薬やビタミン剤なども適宜入れていただき、小一時間も点滴を受けていたら、ルナっちの様子は普段の通りに戻ってきました。さすがに完璧にいつも通りとはいきませんでしたが、帰りには病院の外でおしっこもできるくらいになっていました。それでまずは一安心ではあったのですが、高齢になって代謝が悪くなっていることや、静脈注射や吸入ではなく筋肉注射だったので余計排泄に時間がかかったことを考慮しても、ちょっと今後の麻酔が不安ですね、というのが先生のご意見でした。私もそう思います。
また、前回の手術以来、お腹を切られたり縫われたりすることに対して、ルナっちはかなり恐怖を感じてしまっているようです。今回も傷口自体はごく小さい物だったのですが、傷の様子を見ようとして患部の近くに手を触れただけで「キャン」と鳴いて防御行動をとったほどでした。
やっぱりミオクローヌスは前回の手術がかなりトラウマになった結果なのかもしれないとその時に思ってしまいました。
乳腺腫瘍は転移・再発を繰り返します。乳腺は通常5対10個ありますが、一度でも腫瘍ができてしまえばそのうちのどの乳腺にも転移・再発する可能性がでてきます。
そこで早い段階で乳腺の全摘を勧められることがあります。
ルナっちも、この年齢ですし、腫瘍ができるたびにお腹を切るよりは、一度にリスクを減らした方がいいという考えで片側だけ全摘しました。
(すでに手術の痕があるため、両側を一度に切ると皮膚の余裕が足りないのです)
でも、縫合痕にも乳腺細胞が新生して、そこが腫瘍化してしまうのであれば、犬に負担をかけて全摘する意味があるのだろうか…と疑問に思います。
専門医からのお話でも、一度に広範囲切った時と、しこりができるたびに切った時とで予後の状態に顕著な変化はないという説も出てきたということでした。
その反面、やはり何回も切るよりは、一回でも数が少ない方がいいに決まっています。
結局乳腺腫瘍の発生自体をできるだけ予防するのが一番いいんでしょうね。
それが一番難しいのかもしれません…早期避妊手術にも賛否両論ありますし、それで確実に予防できるというものでもありません。
今後の処置の方向性も含めて、いろいろと考えさせられた今回の生検でした。
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